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BtoBサイトの問い合わせを増やす優先順位

BtoBサイトの問い合わせ改善で集客とCVRの優先順位を整理するAI分析画面

BtoBの問い合わせ改善は、CVRより先に集客を直す

アクセスが月300件の状態でフォームを改善しても、問い合わせは月3件から6件にしかならない。同じ労力でアクセスを3倍にすれば、CVRが同じでも月9件になる。問い合わせ数はアクセス数×CVRで決まるため、アクセスが少ない段階でCVR施策を優先するのは順序の間違いです。


今週中の3行動: ① Google AnalyticsとSearch Consoleを開き、月間セッション数・問い合わせ数・主要流入キーワードを記録する ② 自社が狙うキーワードで上位3位のサイトのコンテンツ量と更新頻度を確認し、「追いつけるか」を社内で判断する ③ 競合性が低く6か月以内に上位を狙えるキーワードを1つ特定する。見つからなければ広告チャネルへ切り替える判断をする


毎月のアクセスレポートは届く。でも何から手をつければいいかわからない。そのままフォームの文言を直したり、トップページのキャッチコピーを変えたりを繰り返している。私たちの支援現場では、このパターンが最もよく見られます。

展示会や紹介営業で案件を積み上げてきた企業が、ある時点でWeb経由の問い合わせを強化しようとする。そのとき、月10件の問い合わせを獲得するまでにどれほどの工程・費用・期間・社内リソースが必要なのかを具体的に把握できていないケースが少なくありません。最初にやるべきことは、フォームの色を変えることではなく、問い合わせを獲得できている競合がどれだけのコンテンツ・広告費・運用期間を投下してきたのかを把握することです。

つまり、施策の良し悪しより先に「競合がどれだけ投資してきた結果、今の状態にあるか」を理解する。この前提がないまま改善を始めると、半年後に「やったのに増えない」という結論だけが残ります。


BtoBサイトの問い合わせ改善で現場に起きる課題と判断軸を整理した図

集客とCVRのどちらが課題かを先に切り分ける

問い合わせ数は次の式で決まります。

問い合わせ数 = アクセス数 × CVR(問い合わせ転換率)

アクセスが月300件でCVRが1%なら、問い合わせは月3件です。CVRを2倍の2%に改善しても月6件。一方、アクセスを3倍の900件に増やせば、同じCVR1%でも月9件になります。アクセスが少ない段階では、CVR改善の効き幅が物理的に小さい。これは施策の良し悪しではなく、算数の問題です。

フォーム最適化やEFO対策は問い合わせ率の向上につながります。ただし、問い合わせ数を増やす第一ステップはアクセスの母数を増やすことです。2,425社以上(社内集計値・2026年7月時点)のWebマーケティング支援実績を持つ私たちが現場で繰り返し見てきたのは、「施策の正しさ」より「施策の順序」を間違えているケースです。

まず自社のGoogle Analytics(またはSearch Console)を開き、月間セッション数と問い合わせ数を確認してください。月間セッションが1,000未満であれば集客施策を優先。1,000以上あるのに問い合わせが月1〜2件であればCVR改善の余地が大きいと判断できます。

また、BtoBの購買プロセスはBtoCと異なり、意思決定者が複数いて検討期間が長い傾向があります。「1回の訪問でコンバージョンさせる」発想ではなく、検討段階に応じたコンテンツと導線を設計する視点が不可欠です。

現在は、Google検索だけでBtoBの問い合わせが生まれるわけではありません。見込み客はSNS、AI検索、業界メディア、比較サイト、既存取引先からの紹介など複数の経路で情報収集しています。SEO経由で集客するのか、SNSで接点を作るのか、広告で短期の商談機会を作るのか。選ぶチャネルによって、必要なホームページの構成も変わります。

「とりあえずSEO」「とりあえず広告」ではなく、自社の強みと中長期の方向性から集客チャネルを選ぶ。この前提を社内で共有しておくことで、施策承認のすれ違いも減ります。


現場でよく起きている3つの失敗

失敗1:競合との差分を測らずにSEO記事を量産する

BtoBホームページの改善でもっとも多い失敗パターンです。現在のSEO評価はE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の観点から記事の品質が問われます。記事やコンテンツを用意するだけでは上がらない領域が増えており、上位表示されている競合サイトとの差分を確認してからSEOに取り組むかを判断する必要があります。

競合がすでに数百本の専門記事と外部リンクを蓄積している領域に、記事10本で参入しても成果は出にくい。支援現場でよく見るのは「半年かけて30本書いたが、どれも検索圏外のまま」という状況です。難易度の見極めが先であり、コンテンツ制作はその後です。

失敗2:キーワードの競合性を過小評価している

SEOで狙うキーワードの難易度は、業界・地域・検索ボリュームによって大きく異なります。地域名と業種を掛け合わせたキーワードでは比較的ライバルが弱く、上位表示を狙いやすいケースがあります。一方で、検索ボリュームがあるキーワードや大手企業が参入している領域では、1年〜2年施策を打ち続けてようやく上位表示できることもあります。

自社が狙おうとしているキーワードで、現在1位〜3位に表示されているサイトのドメイン年齢・コンテンツ量・被リンク数を確認してください。それが「自社が今から追いつける相手かどうか」の判断材料になります。

競合が弱い領域は「業種×課題」の掛け合わせキーワードに集中していることが多い。「製造業 原価管理 課題」「物流 請求書 電子化 中小企業」のように、一般的なビッグキーワードではなく、自社の顧客が実際に検索しそうな具体的なフレーズを起点に調べると、競合性が低く勝てるキーワードが見つかるケースがあります。

失敗3:アクセスが少ない段階でCVR改善に工数をかける

フォームのUI改善、CTAボタンの文言変更、LPのデザインリニューアル。これらは間違いではありませんが、アクセス数の絶対量が少ない段階では優先度が低い施策です。

ホームページのデザインや問い合わせ率を変えても、アクセスがないことには問い合わせ数の絶対数は大きく変わりません。支援現場でよく見るのは、「トップページをリニューアルしたのに問い合わせが増えない」という相談です。確認してみると月間セッションが200件台で、CVRを改善する以前にそもそも訪問者が少ない、というケースが実際に多くあります。CVR改善はアクセスが月間1,000セッションを超えてから着手する、という順序の意識が重要です。


BtoBサイトの問い合わせ改善の実行手順と確認項目を整理したワークフロー

集客チャネルの選択基準:何から始めるかの判断表

分析結果をもとに、どのチャネルでアクセスを増やすかを決めます。以下の比較表を社内判断の材料として使ってください。

チャネル成果が出るまでの期間主なコスト向いているケース
SEO(コンテンツ)6か月〜2年制作工数・外注費競合が弱いキーワードが存在する/中長期で積み上げたい
リスティング広告1〜2か月広告費(継続必要)短期で問い合わせを獲得したい/予算がある
SNS運用3か月〜1年運用工数ターゲット層がSNSで情報収集している
メールマガジン即時〜3か月リスト整備工数既存リストがある/既存顧客の深耕が目的
展示会・オフラインイベント前後出展費・人件費対面接触が有効な業界・製品

SEOは中長期の資産になる一方、競合が強いキーワードでは成果まで1〜2年かかることもあります。短期で問い合わせを獲得したい場合は、Web広告との組み合わせも選択肢に入れてください。

チャネルを決めずに「全部やる」と工数が分散し、どれも中途半端になります。リソースが限られている場合は、まず1チャネルで成果の仮説を検証してから横展開する順序が安全です。


自社の課題を3分で確認する方法

Google AnalyticsとSearch Consoleを開き、以下の3点を確認してください。この数値がそろえば「集客が課題か、CVRが課題か」の判断ができます。

① 月間セッション数を確認する

GA4の左メニューから「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」を開き、期間を直近1か月に設定します。1,000未満であれば集客施策を優先。1,000以上あるのに問い合わせが月1〜2件であればCVR改善の余地が大きいと判断できます。

② 問い合わせ転換率(CVR)を計算する

問い合わせ数 ÷ セッション数 × 100で計算します。BtoBサイトのCVRは業界やページ種別によって幅がありますが、0.5〜2%程度を参考レンジにしつつ、最終判断は自社の過去データと商談化率で行います。

③ 主要流入キーワードと順位を確認する

Search Consoleの「検索パフォーマンス」→「クエリ」タブで、表示回数は多いがクリック率が低いキーワードを確認します。クリック率(CTR)が2%を下回っているキーワードは、タイトルやメタディスクリプションの改善だけで流入が増えるケースがあります。

この3点の数値を社内でそろえることが、施策の優先順位を決める最初の一手です。数値を確認したうえで「次に何をすべきか判断できない」という場合は、無料AI運用診断を活用してください。現状のサイト構造・競合環境・集客チャネルの選択肢を整理した上で、優先施策を具体的にお伝えします。


問い合わせ改善の実行手順:5つのステップ

ステップ1:自社・競合・市場の現状分析

施策に入る前に、次の3点を把握します。

  • 自社サイトの現状数値:月間セッション数、問い合わせ数、主要流入キーワードとその順位
  • 競合サイトの状況:上位表示されている競合のコンテンツ量・被リンク・更新頻度
  • ターゲットの情報収集プロセス:見込み客がどのチャネル(検索・SNS・AI・業界メディア)で情報収集しているか

この分析なしに施策を始めると、「頑張っているのに成果が出ない」状態が続きます。ホームページ放置のデメリットは1〜2年後に来るで解説しているように、分析を後回しにしたまま放置期間が長くなるほど、競合との差は広がり続けます。

ステップ2:勝てるキーワードを3〜5個特定する

ホームページの問い合わせ改善に入る前に、「どのキーワードなら上位が取れるのか」を検討します。競合性が低く自社が勝てる可能性のあるキーワードを特定できない状態でコンテンツ制作に入ると、書いた記事が誰にも見つからないまま埋もれます。

具体的な確認手順は次のとおりです。

  1. 自社サービスに関連するキーワードを20〜30個書き出す
  2. 各キーワードの月間検索ボリュームを確認する。BtoBなら月50〜500件でも十分なケースがある
  3. 各キーワードで現在1位〜3位のサイトのドメイン年齢・記事数・被リンクを確認する
  4. 「自社が6か月以内に追いつける競合」が存在するキーワードを3〜5個に絞る

なお、検索ボリュームが小さくても問い合わせ意図が強いキーワードはBtoBでは特に価値が高い。月100件しか検索されないキーワードでも、そこから来る訪問者の商談化率が高ければ、月10,000件のキーワードより実質的な価値が上回ることがあります。

ステップ3:集客チャネルを選択して目標を数値化する

ステップ2の分析結果をもとに、SEO・広告・SNSのどれを主軸にするかを決めます。選択の基準は「競合の強さ」と「確保できる予算・工数」の2軸です。

SEO経由で集客するのか、SNSで集客するのか、広告で集客するのか。集客経路によって必要なホームページの構成は変わります。目標は「6か月後に月間セッション数1,500件」という形で数値化し、月ごとに何件増やす必要があるかを逆算してコンテンツ本数・広告予算・更新頻度を決めます。

チャネルを決めずに「全部やる」と工数が分散し、どれも中途半端になります。リソースが限られている場合は、まず1チャネルで成果の仮説を検証してから横展開する順序が安全です。中小企業のホームページ改善はデザインから始めないでは、リソースが限られた企業がどのチャネルを優先すべきかの判断軸を整理しています。

ステップ4:コンテンツと導線を整備する

集客施策と並行して、訪問者を問い合わせまで案内する導線を整備します。

  • サービスページの明確化:「何ができるか」だけでなく「誰のどんな課題を解決するか」を具体的に書く。BtoBでは担当者が上司に稟議を通すための材料を探していることが多く、「費用感」「導入期間」「他社との違い」を明示するだけで問い合わせへの心理的ハードルが下がる
  • 事例・実績ページの充実:BtoBでは「自社と似た課題を持つ企業がどう解決したか」が問い合わせの背中を押す最大の要素になる。業種・規模・課題の軸で事例を分類し、訪問者が自分ごとと感じやすい構成にする
  • CTAの最適化:「お問い合わせ」という汎用表現より「〇〇の費用を確認する」「導入事例を見る」など、次のアクションが明確な文言に変える
  • フォームの簡素化(EFO):必須項目を最小限に絞り、入力ステップを減らす。「会社名・氏名・メールアドレス・相談内容」の4項目で受け付けるだけで、離脱率が下がるケースがある

中小企業のホームページ改善はデザインから始めないでは、サービスページと事例ページの具体的な構成例も紹介しています。

ステップ5:CVR改善はアクセスが月1,000件を超えてから

アクセスが月間1,000セッション以上に達したら、CVR改善に本格着手します。それ以前にCVR改善に工数をかけるのは、統計的に信頼できるデータが集まらないまま改善を繰り返すことになり、効率が悪い投資です。

CVR改善の主な打ち手は次のとおりです。

  • 導線設計の見直し:サービスページ・事例ページから問い合わせフォームへの動線が途切れていないか確認する
  • ファーストビューの改善:訪問者が3秒以内に「自分ごと」と感じられる価値訴求になっているか。「業種×課題×解決策」が一文で伝わるキャッチコピーを目指す
  • マイクロコンバージョンの設置:「いきなり商談」はBtoBでは離脱率が高い。資料DL・診断ツール・メルマガ登録など、問い合わせより手前のゴールを設けることで、検討段階の見込み客を取りこぼさない

社内承認・運用継続の判断に使える3つの基準

施策を提案しても社内で承認が下りない、あるいは取り組み始めたが継続の判断ができない、というケースがあります。以下の3つの基準を使うと、判断がしやすくなります。

競合が同じ施策にどれだけ投資しているかを先に確認する

SEO・広告・SNSのいずれも、競合が先行投資している領域に後から参入するにはそれ以上のリソースが必要です。競合サイトのコンテンツ量・広告出稿状況・SNSフォロワー数を確認し、「追いつくのに必要な投資量」を社内で共有した上で施策を承認する判断フローを作ってください。「やってみたが効果が出なかった」の多くは、競合との差分を把握しないまま着手したことが原因です。

成果が出るまでの期間を施策ごとに明示して合意する

SEOは成果が出るまでに時間がかかります。施策を始める前に「このチャネルは〇か月後に中間評価をする」という期間合意を社内で取っておくことで、短期の数字に振り回されずに運用できます。広告であれば1〜2か月、SEOであれば6か月を最初の評価タイミングの目安として設定してください。

「どのキーワードなら上位が取れるか」を先に検証してから予算を承認する

SEOに取り組む前に、競合性が低く自社が勝てる可能性のあるキーワードを特定することを条件にする。それができない状態でコンテンツ予算を承認しない、というルールを社内に設けると、「書いたが誰にも見られない記事」の量産を防げます。キーワード調査の結果として「勝てるキーワードが見つからなかった」という結論も、立派な意思決定の材料です。その場合は広告やSNSへチャネルを切り替える判断ができます。


次に読むべき記事

BtoBホームページの問い合わせ改善は、集客・CVR・コンテンツ・AI運用が交差する領域です。以下の記事で各テーマを深掘りしてください。


よくある質問

Q. アクセスが少ない状態でもフォーム改善は意味がありますか?

効果がゼロではありませんが、優先度は低めです。月間セッションが500件以下の段階では、まず集客施策に集中するほうが問い合わせ数の改善幅が大きくなります。フォーム改善は、アクセスが増えた後に「取りこぼしを減らす施策」として着手すると効果を判断しやすくなります。

Q. BtoBサイトで最初に確認すべき数字は何ですか?

月間セッション数、問い合わせ数、問い合わせ転換率(CVR)の3つです。この3つが分かれば、集客不足なのか、導線・訴求不足なのかを切り分けられます。加えてSearch Consoleで主要キーワードの表示回数とクリック率を確認すると、流入改善の余地も見えます。

Q. SEOと広告はどちらを優先すべきですか?

短期で商談機会が必要なら広告、中長期で資産を作りたいならSEOが向いています。ただし競合が強いキーワードでSEOに入る場合は、成果まで1年〜2年かかることがあります。まず競合性と予算を見て、6か月以内に勝てる見込みがあるかを判断してください。

Q. 月間セッション1,000未満でも事例ページは作るべきですか?

作るべきです。事例ページはCVR改善だけでなく、広告・営業・商談時の信頼材料としても使えます。ただし、問い合わせ数を大きく伸ばす主施策としては、アクセス母数を増やす集客施策と並行して整備する位置づけにしてください。

Q. 問い合わせ改善を社内で承認してもらうには何を準備すべきですか?

競合との差分、必要な投資量、成果が出るまでの期間、月次で見るKPIをセットで示してください。「問い合わせを増やしたい」だけでは承認が取りにくくなります。競合がどれだけ投資しているか、自社がどのチャネルなら勝てるかを数値で示すと、社内判断がしやすくなります。

監修者

監修:長橋 真吾(デジタルアスリート株式会社 代表取締役)
2,425社以上(社内集計値・2026年7月時点)のWebマーケティング支援実績・15年の知見を持つデジタルアスリートの代表。
YouTubeでマーケティング×AIの実践情報を発信中。
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※本記事の実績数値等はデジタルアスリート株式会社の社内集計値(2026年7月時点)です。数値を伴う事例は、特に明記がない限り匿名加工された実例に基づきます。